こんばんは。代表の増子です。
協定道路。
新築の建売住宅の資料を見ているとたまに見かけるこの言葉。
宇都宮市内や栃木県内でも10年ほど前まではそれほど見かけることはなかったのですが、ここ数年は協定通路を用いた分譲地が明らかに増えてきました。
私が知る限り、大きなトラブルは起きてはいませんが、ちょっと複雑な仕組みになっているため、その内容を解説したいと思います。
協定通路とは2名以上の敷地の所有者が、ルールが記載されている協定書にサインすることで、お互いの土地を道路のように利用できるようにした民地(宅地)の事を指します。
文章だけではわかりづらいと思うので、図を用いて解説していきます。
これは鹿沼市にある新築建売住宅3棟現場の区画図です。
1号棟と2号棟の土地の一部が協定道路として設定されています。
現地はどのようになっているかというと、
このようになっています。
見た目は道路と何ら変わりません。
ここでポイントとなるなのは、1号棟と2号棟は整形地ではなく、敷地延長の土地=旗竿地であるということ。
旗竿地のイメージとしては、間口が狭く車も縦列にしか停めることができないため、利用しづらいといったマイナスのイメージがあるかと思います。
この利用しづらい旗竿地の棒の部分をお互いに道路のように利用できる事にして、物件の価値を高めているのが協定道路になります。
私道と同じような扱いにはなりますが、正式な道路ではありません。通路のようなものです。
ちなみにですが、この物件の1号棟と2号棟は、建築確認済証では西側の9.4mの公道に接道していることになります。
協定道路はお互いの敷地(民地)を利用する事になるため、トラブルの原因になってしまうことがよくあります。
建築基準法で定められた道路ではない協定道路は、法律による決め事がないため、その利用に関して、明確なルールが必要になります。
このルールを書面化したものが「協定書」になります。
協定道路の名称はこの協定書からついています。
協定書の内容としては最低でも以下の3点は明記しなければなりません。
①協定道路内に物を置く・駐車してはいけない旨(通行のみ使用する旨)
協定道路は通行のために用いるので、自分たちの敷地といえども、車を駐車したり、ものを置いては意味がなくなってしまいます。
協定道路において一番想定されるトラブルが、この件です。
協定道路はアスファルト舗装されていることがほとんどですが、いずれは劣化していきます。
修繕移管して、誰かに責任があることが明確ならともかく。経年劣化等の補修に関してもトラブルにならないよう、明記しておいた方が良いでしょう。
協定道路の効力が未来に向けても続くように、書面での明記が必要です。
特に売買にて当該物件を手放す場合には、重要事項説明書及び売買契約書においても、協定書の内容と存在を記載する必要があります。
また、売主(分譲会社)によっては、協定道路の対象となっている敷地について、お互いに通行地役権を設定することがあります。
通行地役権とは、通行という目的のために設定される地役権です。
地役権とは、一定の目的の範囲内(今回は通行の目的)で他人の土地を自分の土地のために利用する権利の事です。
上記の区画図の現場で例えると、1号棟の方は2号棟の方が所有している協定道路の部分に、2号棟の所有者の方は1号棟の方が所有している協定道路の部分に、お互いに通行地役権を設定します。
登記簿謄本にも明記されることになるため、協定道路の存在はより明確になり、トラブルの防止にもつながるというようなメリットもあります。
これは、ずばり、「売主の都合」です。
先程も書きましたが、協定道路は新築の建売住宅で多く用いられるやり方であり、ここでいう売主とは宅建業者になります。
私道として道路を作る事と見た目は変わらないのですが、道路として作る場合は、役所への申請が必要になり、その分申請費用と時間が掛かってしまいます。
効果が私道とかわらないのであれば、申請費用も掛からず安価で作ることが可能な協定道路を洗濯する業者が多いです。
費用が安く済めば、その分販売価格に反映され、建売住宅も安くなっ倍すことができるようになります。
費用対効果。
協定道路が作られる理由は、この言葉に付きます。
私道と協定道路の構造はそれほど大きく変わらないはずです。
いかがでしたでしょうか。
新築の建売住宅であれば売主は宅建業者になるため、協定書も存在しますし、トラブルにならないための措置は施されています。
しかし、中古住宅の場合は、売主は個人になるため協定書も存在しないといった物件を、たまに見かけることがあります。
あらためて協定書を作れば良いのですが、協定道路のことを理解していないとトラブルになることが想定されます。
車の出し入れの面でメリットの大きい協定道路ですが、トラブルの可能性も含んでいるという事を考慮して、物件選びに役立てていただければ幸いです。
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