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宇都宮市コンパクトシティ化への第一歩。居住誘導区域外における住宅建築の届出制開始。

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カテゴリ:不動産業界
こんばんは。代表の増子です。


宇都宮市が掲げる「ネットワーク型コンパクトシティ」についてはこのブログ内で何度か触れていますが、その政策の一環として、居住誘導区域外で一定規模以上の住宅の建築を行なう場合に対しての届出制が来年度より始まります。

居住誘導区域とは人口減少の中でも一定の人口密度を維持し都市機能や知己機能の持続的確保のため、居住を誘導する区域であり、居住誘導区域の考え方としては交通ネットワーク(幹線道路、基幹・幹線公共交通)や計画的な都市基盤整備との整合を図りながら、拠点や交通結節点である鉄道駅、幹線交通軸(幹線道路等)などから歩いて移動できる一定の範囲に設定されると、宇都宮市のホームページには記載されています。

長くはなってしまいましたが、要するに、宇都宮市の人口をJRや東武線の駅周辺や幹線道路の交通インフラの便利なところに集めたいがために設定されたのが、居住誘導区域です。

人が集まって住んでもらうと、インフラ整備や行政サービスの効率が上がるのは明白です。

また、人口が維持できると不動産価格も維持できるため、固定資産税収入も維持できることに繋がります。

宇都宮市の居住誘導区域に関しては当ブログ内でも記事を書いていますので、そちらを参考にして下さい。リンクを貼っておきます。


届出の対象になる住宅は。


届出の対象になる住宅は、3戸以上の住宅を新築しようとする場合です。

3棟現場以上の新築一戸建ての建売住宅は、居住誘導区域外では全て届出が必要になります。

また、3戸はアパートなどでは3部屋に該当するため、3部屋未満の集合住宅はほとんど無いため、アパートやマンションはほぼ全て届出の対象になります。

届出は工事着工の30日前までに行なわなければなりません。

届出制による影響は。


これから始まるばかりなので、とりあえず大きな影響はなさそうです。

建築確認を申請する際に一手間増えるので、建売住宅の売主やアパートの管理会社が嫌がるくらいでしょう。

しかし、届出をしないで建築行為を行なった場合は、30万円以下の罰金に処される可能性があるため、この制度はすぐに浸透するはずです。

ただし、将来的にはどのようになるかはまだわかりません。

この政策は「不断の見直しを行う」とされています。

つまり、規制は少しずつ厳しくなっていき、居住誘導区域外の地域は少しずつ居住する人が減らされていく形になると思われます。

どのような形で規制が強化されるかはわかりませんが、例えば、1宅地辺りの最低土地面積(150㎡や165㎡)の制限や建物絶対高さの制限(10m)など、土地の用途が制限されるような規制は考えられそうです。

また、居住誘導区域外での建築行為の許可を市街化調整区域並みに制限し、建築行為自体に規制をかけることも想定されます。

居住誘導区域外の不動産の資産価値は下落確実?


現在はともかく、そう遠くない将来には「確実」に、居住誘導区域外の不動産の資産価値は下落することになるでしょう。

市街化区域をそのまま居住誘導区域として指定している自治体が多い中、幹線道路の利便性と交通インフラを重視している宇都宮市の居住誘導区域では、与える影響が異なりそうです。

宇都宮市の居住誘導区域は、住宅地として整備されている地域も区域外になっているところは多くあります。

特に、幹線道路が国道4号線しかない雀宮地域は、そのほとんどが居住誘導区域外になっています。

交通インフラ重視で居住を誘導することは、高齢者にとっては良いことかもしれませんが、我々のような働き盛りの世代にとっては違和感を感じます。

ましてや、幹線道路に近い立地の物件は昔から人気があり、新たに開発できるようなまとまった土地はそれほど多くはありません。

宇都宮市はどのような形で居住誘導区域に人口を集めるつもりなのでしょうか。

住む場所が無いのに、移り住んで下さいといっても無理な話です。

はっきり言ってしまえば、このような形で居住誘導区域を定めることは少し強引なやり方であり、車が乗れなくなった高齢者以外にはメリットはほとんどありません。

個人的には、本当によく考えて決定したのかさえ疑問に思ってしまいます。

現在の市街化区域の中から、不便な地域を外すだけで良いのではと思うんですけどね。

LRTの整備と関連づけているのは明らかなので、このように極端なやり方になっているのでしょう。

不便な場所でこれからも発展する見込みがないところや、土砂災害警戒区域などの安全ではない場所が、居住誘導区域から外されるのはわかるのですが、幹線道路に近くないという理由だけで、居住誘導区域から外され、資産価値も落とされてしまうというのは、納得できない話です。

今後は見直しがあるようですが、その際には区域の指定自体を見直すか、区域外でも市街化区域の住宅地として、以前から数多くの方が住んでいる地域は、規制を強化しないなどの政策が求められます。

まとめ。


いかがでしたでしょうか。

居住誘導区域外への規制については、これから始まることになるため、どれほどの効果が出るかはまだわかりません。

届出だけなら、その効果はほとんど無いといっても良いでしょう。

しかし、人口が減り続ける中、将来的には規制が強化され、居住誘導区域外の地域は発展するどころか現状維持をすることさえも難しくなります。

居住誘導区域の指定は、人口減少社会の中、自治体の体力を維持していく上ではとても大切なことであり、国が法律を整備して推進している国策です。

この政策は、これからの街作りにおいて重要な役割を担っています。

今後不動産を購入する予定がある方は、「居住誘導区域」を意識して探してみることも必要になってくると思います。


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