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不動産売却で囲い込みのトラブルに注意!回避策や対処法も紹介

不動産業界

増子  博昭

筆者 増子  博昭

不動産キャリア25年

誠実と柔軟性がモットーです。
宅地建物取引士・CFP(国際ファイナンシャルプランナー)・2級ファイナンシャルプランナー技能士・高等学校教諭一種免許(国語)を保有しております。

不動産の売却を考え始めた方にとって、「囲い込み」という言葉を耳にされたことがあるでしょうか。不動産取引には多くの専門用語や仕組みが存在し、思いどおりに売却が進まない原因の一つとして、この「囲い込み」が挙げられます。本記事では、囲い込みとは何か、その影響や生じやすいトラブル、売主として注意すべきポイント、そして今後の法改正による変化まで、分かりやすく解説いたします。安心して売却活動を進めるための知識を、共に身につけていきましょう。

囲い込みとは何か、不動産売却を検討中の方に理解してほしい基本



囲い込みとは、不動産会社が自社の利益を優先し、売り主様の物件情報を意図的に他社に知らせず、自社のお客様のみに案内を行う行為を指します。これは、売り主様と買い主様の双方から仲介手数料を得ようとする「両手仲介」を狙った動きともいえます。たとえば「もう申し込みがある」「売却済み」など虚偽の理由を用いて他社からの仲介を遮断し、自社で買い主を見つけようとすることが典型的です。 この結果、売り主様は本来得られるはずだった多くの購入希望者との機会を失い、売却価格が下がったり、売却までの期間が長引いたりする危険性があります。囲い込み行為は長年、売り主様の利益を著しく損なう不透明な商慣習として問題視されてきました。

要点 内容
囲い込みの定義 自社のみで売買を完結させるため、他社への物件紹介を制限する行為
売主に対する主なトラブル 売却期間の長期化、適正価格より低い価格での売却
問題視されてきた背景 情報の非対称性による市場の不透明化、売主の経済的不利益

2025年1月からは、国土交通省による宅建業法施行規則の改正により、囲い込みにあたる物件情報の虚偽登録などが明確に処分対象となりました。たとえば、レインズ(指定流通機構)への登録状況が実態と異なる場合には、是正指示や業務停止命令、罰金、さらには免許取り消しなどの行政処分を受ける可能性があります。こうした変化により、これまで曖昧だった囲い込み行為が明確に規制されるようになりました。

囲い込みが売主にもたらす具体的なリスク



不動産の売却をお考えの皆さまには、ときに気づかれにくい「囲い込み」によって起こりうる重大なリスクについて、具体的に理解していただきたいと思います。誰もが理解しやすいよう、丁寧に解説いたします。

まず第一に、囲い込みが行われると売却期間が大幅に延びる可能性があります。たとえば、複数の不動産会社から買い手が見つかる一般的な状況では、成約までの期間は平均的に3か月程度ですが、囲い込みがある場合には、その期間が10か月近くになるとのシミュレーション結果もあります。これは、機会を逃し続けることで売却までのプロセスが鈍くなることが原因です 。

囲い込みの有無成約までの期間(目安)商談回数の違い(目安)
囲い込みなし約3か月月4件程度
囲い込みあり約10か月月1件程度

次に、売却価格が下がりやすくなる点も見逃せません。囲い込みにより売却が長期化すると、不動産会社から「早く売れるように値下げしましょう」と提案される頻度が増えます。しかし、担当会社に両方の仲介手数料が入る構造であれば、多少の値下げによって売主の手取りが減っても、業者側の収益にはさほど影響がありません 。その結果、数百万円規模の損失になるケースもあります。

さらに囲い込みが売主に見破られにくい点も、リスクを高める要素です。情報はレインズに登録されていても、他社からの問い合わせに対し「商談中」や「内見不可」などの理由で対応を断ることで、実際には買い手がいるにもかかわらず、売主は知らないまま機会を失ってしまうことがあります 。

このように、囲い込みによって売主が被るリスクは、「期間の長期化」「価格の低下」「気づきづらさ」の三点が主であり、いずれも売主ご自身の利益に直結する重大な事柄です。ご自身の大切な資産を守るためにも、これらのリスクをしっかり認識し、対策を講じることが不可欠です。

囲い込みを回避するために売主ができる対策



売主が不動産会社による囲い込みを避けるには、以下のような具体的な対策が有効です。

対策内容効果
複数社との一般媒介契約囲い込みのリスクを減らすには、複数の不動産会社と一般媒介契約を結ぶことが推奨されます。情報が広く流通し、より多くの買主にアプローチできます。
片手仲介重視の業者選び片手仲介でも誠実に売却を進める業者を選ぶことで、両手仲介による囲い込みを回避できます。売主の利益を優先した売却活動が期待できます。
積極的な質問・確認「囲い込みをしないでほしい」「他社からの反響はどうですか」など自ら質問する姿勢が重要です。業者側に透明性ある対応を促す圧力になり得ます。

まず、複数の不動産会社と一般媒介契約を結ぶと、囲い込みのリスクが大きく低減します。他社が買い手を見つける機会を確保しやすくなり、売却チャンスが広がります。

次に、片手仲介を重視する姿勢で信頼できる対応を見極めることも大切です。両手仲介では不動産会社が売主・買主双方から手数料を得るため、利益優先の囲い込みをされやすくなりますが、片手仲介なら売主の利益に注力した売却が期待できます。

さらに、売主自身が囲い込みを防ぐために積極的に質問・確認する姿勢を持つことが有効です。「他社からの反響はどうですか?」「囲い込みをしないでほしいです」といった具体的な要請や確認は、業者の対応を透明なものにするきっかけになります。

これらの対策を組み合わせれば、囲い込みされるリスクを可能な限り抑え、売主が安心して主体的に売却活動を進めることができます。

2025年以降の法改正による囲い込み対策の最新情報



2024年6月に国土交通省は宅地建物取引業法施行規則を改正し、2025年1月1日から「囲い込み」行為に対して強化された法的規制が開始されました。これにより、不動産会社がレインズ(指定流通機構)に物件登録する際には、取引状況のステータスを「公開中」「書面による購入申し込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」のいずれかで正確に表示しなければならず、虚偽登録を行った場合は是正指示や業務停止、罰金、場合によっては免許取消しなどの処分対象となります。

対象開始時期2025年1月1日
義務内容レインズ登録時の正確なステータス表示
処分内容是正指示・業務停止・罰金・免許取消し

これらの改正によって、売主様には以下のようなメリットがあります。まず、売却活動の透明性が高まり、物件情報の秘匿による流通機会の損失や、相場より低い売却価格の誘導といった不利益を避けられるようになります。さらに、レインズの登録状況を売主自身が二次元コード付きの登録証明書を通じて確認できる仕組みが導入されたことで、売主が取引の進捗をリアルタイムで把握しやすくなりました。

売主様がこの新たな制度を活用し、より安心して売却活動を進めるための方法としては、媒介契約締結の際にステータスの登録義務や確認手段について不動産会社から明確な説明を受けることが重要です。また、登録証明書やレインズのステータスを定期的にチェックして、不自然な登録がなされていないか確認する習慣を持つことが望ましいです。加えて、媒介契約書に囲い込み防止を明記してもらうよう依頼することも効果的です。

まとめ

不動産の売却を検討されている方にとって、囲い込みという問題は決して他人事ではありません。囲い込みによって売却が長引いたり、価格が下がるなどのリスクが生じる可能性がありますが、ご自身が積極的に知識を持ち対策を取ることによって、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。法改正も進められており、今後は売主がより安心して売却活動を行える環境が整いつつあります。身近な問題として関心を持ち、納得のいく不動産売却を実現してください。


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