こんばんは。代表の増子です。
9月に入りましたが、残暑という名の猛暑が続いています。
私は、インターネットのサイトでニュースを毎日見るようにしているのですが、気温の高いこの季節でも住宅火災のニュースが頻繁に報じられています。
私は知人に火災で被害あった方がいないため、どこか人ごとのように感じてしまう事もあるのですが、近隣の火災に巻き込まれて自宅が全焼し、全財産を失ってしまうことは可能性としてはあり得る事です。
今回は、近隣火災の被害に遭った際の火元住民の賠償責任と火災保険の必要性について、書いていきます。
近所の方が火災を起こした場合、その原因にもよりますが、法律上の賠償責任は発生しません。
要は、隣の人が火事を起こして自宅が全焼したとしても、隣の人に自宅の被害額を請求することはできないということになります。
失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)というものがあり、火災によって失われた財産は、火元の住民に賠償を請求することはできないとされています。
この法律は明治32年に定められた法律で、いささか時代遅れな気もしますが、日本の住宅の多くは木造住宅で、市街地では密集して建てられており、一度火災が起きると近隣に延焼しやすいといった状況は、大まかには現在とそれほど異なりません。
このような状況下で、火災の被害について火元住民の方に損害賠償を請求することは難しく現実的ではないからです。
重過失とは、注意義務違反の程度の大きな過失であり、人が当然払うべき注意を著しく書いた過失の事です。
例えば、重過失として高い確率で認定される例としては以下の物があげられます。
・寝たばこ
・暖房器具(石油ストーブなど)の近くに燃えやすい物を放置
・油を加熱放置
ちなみに、重過失による火事と認定された場合は重過失罪に問われ、3年以下の禁錮又は150万円以下の罰金刑に処されることになります。
巻き込まれた火災から家や財産を守るためには火災保険が必要。
上記に記載したとおり、重過失が無い限り、火元の住民に失った財産の損害賠償を請求することはできません。
そのため、各自の責任で火災に備える事が必要であり、火災保険に加入する事は必須です。
貯蓄や財産が豊富にある方は火災保険の必要性は低いですが、そのような方は日本全国においてもほんの一握りしかいません。
私の個人の考えとしてですが、火災保険の加入は自動車の自賠責保険と同じくらい重要です。
セキュリティーの高いマンション(放火の危険が無い)で、オール電化住宅、たばこは吸わないなど、火災リスクがとても低い方にとっては火災保険の重要性はたしかに低いかも知れません。
しかしながら、隣の部屋の住人が失火で火災を起こし、消火活動の放水等で住んでいる部屋に被害が発生したとしたら、火災保険でしか対応できません。
耐火性の高いマンションは、一般の木造住宅に比べたら保険料が低く設定されているため、いずれにせよ加入した方が良いでしょう。
住宅ローンを組む場合は火災保険は強制加入。しかし、現金で購入の場合は任意。
住宅ローンを組んで住宅を購入する場合、新築・中古にかかわらず火災保険は強制加入です。
どこの保険会社を選択してもかまわないのですが、万が一、火災で家が焼失した場合、火災保険にはいっていなかったら、家や土地を担保に融資している金融機関は債権(住宅ローン)を保全できなくなってしまうからです。
10年程前までは、火災保険に金融機関が質権を設定して、火災が発生した際には火災保険を金融機関が差し押さえできるようにもしていました。
最近では質権の設定はほとんど無いですが、金融機関にとって担保保全という意味合いでも火災保険は重要です。
住宅を現金で購入する場合は、金融機関との接点が無いため、火災保険加入は任意です。
しかしながら、上記に記載したとおり、火災保険には加入するべきです。
不動産会社やハウスメーカーによっては火災保険の金額を諸費用から外して、お得感をあおる業者もいるようですが、そういった業者には注意が必要です。
また、消費税増税後は直系尊属から住宅購入資金に係わる贈与税の非課税枠が、期間限定ではありますが、3000万円まで拡大されます。
増税後は、住宅ローンを利用しないで現金のみで住宅を購入する方は確実に増えます。
火災保険の必然性を理解して、加入するようにして下さい。
いかがでしょうか?
失火の場合、賠償責任が発生しないということを知らない方は意外と多いです。
これを機会に、火災保険の重要性を知っていただけたら幸いです。
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