高齢者支援策「断らない賃貸」。なぜ普及しない?

不動産業界

増子  博昭

筆者 増子  博昭

不動産キャリア20年

誠実と柔軟性がモットーです。
宅地建物取引士・CFP(国際ファイナンシャルプランナー)・2級ファイナンシャルプランナー技能士・高等学校教諭一種免許(国語)を保有しております。

こんばんは。代表の増子です。

今日の天気はすごく暑くなる予報でしたが、雲が多かったせいか想定していたよりかは気温が上がりませんでした。

ゴールデンウィークも今日で終わりです。

明日からお仕事頑張りましょう。

さて、本日のテーマは、

高齢者支援策「断らない賃貸」。なぜ普及しない。

です。



今朝の朝刊で、
「断らない賃貸」広がらず 高齢者支援策、家主にリスク

という記事がありました。

「断らない賃他住宅」とは、2017年10月に施行された「新たな住宅セーフティーネット法」に基づいて始まった制度です。

新たな住宅セーフティーネット法とは。


高齢者や障害者、生活保護受給者などの低所得者の方にとっては収入面や健康面などから、賃貸住居を探し、生活の拠点を確保することが難しい状況です。

このような現状を改善するために、国土交通省は、空き家や空き部屋などを各自治体に登録することにより、物件情報を希望者に提供し、所得の少ない人やお年寄りらの賃貸入居を「断らない賃貸住宅」を増やそうというのが目的です。

家主は、空き家の改修工事に最大計200万円、家賃補助に月最大計4万円の支援を国、自治体から受けられます。

2020年度の登録目標は17万5000戸だそうです。

しかし、今朝の記事では目標の数字に対して0.4%しか達成していないとのことです。

なぜこの制度は普及しないのか。


この制度の内容ですと、リスクはあくまで家主が負う形になります。

自治体は補助までです。

家主が高齢者や障害者の入居を嫌がるのは、家賃の滞納では無く、孤独死のリスクとその後の事後処理の煩わしからです。

仮に、孤独死が発生してしまえばその部屋は事故物件扱いとなってしまいます。

事故物件は大幅に家賃を下げるなどしなければ、新たな入居者を見つけることは困難です。

この事に対処しないままでは、登録は増えません。お金の問題では無いのです。

まとめ。


現在、賃貸住宅は供給過多のため、特に築年数が経った物件は空き部屋が大変多くなってきています。

家主さんも何か工夫をしたり、家賃を下げても良いから入居して欲しいと思っています。

この制度の目的自体は、高齢化社会のニーズと空き部屋リスクへの家主さんのニーズが合致しているため、理解はできますし、良いことだとも思います。

しかし、そのやり方に工夫がなさ過ぎます。

国土交通省は制度を改善し、高齢者専用住宅として国や自治体が借り上げるか、それができないなら、孤独死が発生した場合の家賃補償等を行うべきです。

このままでは、高齢者は本当に住むところが無くなってしまいます。年をとっているという理由だけで住む場所を失うのは、あまりにも悲しすぎます。

ちなみに、この制度に関して都道府件などの自治体は積極的に予算を確保していないそうです。

私の憶測ではありますが、制度内容の欠陥をわかっていて、国に気づいてもらうために、あえて非協力的なのではないかとさえ思ってしまいます。


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