こんばんは。代表の増子です。
一昨日の18日に、大阪府の北部で震度6弱を計測する地震がありました。
報道でもご存じのとおり、5名の方が犠牲になった大きな地震でした。
そのうちに2名の方は、古いブロック塀の下敷きになり命を落としています。
過去に起こった震災でも、ブロック塀の下敷きになり尊い命を落とされた方は多くいましたが、今回の地震では、小学生の女の子が自身の通う学校のプールサイドのブロック塀によって犠牲になるといった衝撃性のため、マスコミ各社で大きく取り上げられる事になりました。
本日のテーマですが、
今回の地震で倒壊した小学校のブロック塀ですが、管轄の高槻市が建築基準法違反のブロック塀であったと公表しています。
おそらくではありますが、私の経験上、古くから存在するブロック塀のほとんどが、建築基準法の施行令を満たしていないと言っても過言ではありません。
ブロック塀の高さが2.2mを超えていたり、必要とされるべき控え壁が付いてなかったり、鉄筋の量が不十分であったり、基礎の作りが雑であったりと理由は様々です。
今回問題になった小学校のブロック塀は1.9mの基礎部分に1.6mのブロック塀を積み上げ、計3.5mの壁を作り上げていました。
文部科学省が派遣した専門家は基礎部分とブロック塀をつなぐ鉄筋が短く不十分だったと指摘しています。
高さも基準より高く、控え壁も設置されていませんでしたが、映像を見る限りですが、なによりも鉄筋が短かったことがブロック塀の倒壊を起こした最大の要因だと考えられます。
学校の耐震化は校舎や体育館を中心に行われてきたため、ブロック塀は盲点だったのかもしれません。
学校だけではなく、通学路にも古くて危険なブロック塀はたくさん存在します。
学校のブロック塀に関しては、管轄の文科省が耐震工事に予算を投入できますが、通学路となるとあくまで民間のブロック塀が対象になるため、耐震化の促進はなかなか難しいかもしれません。
撤去や補強に対して補助金を支給する自治体もあるようですが、全国的には利用が低調のようです。
また、所有者の方が危険性に気づいていないケースも多く、空き家も増えているため、今後の対応も不透明です。
このような状況ではありますが生徒を危険から守るため、まずは、学校と地域が一体となって通学路にある危険なブロック塀の把握から始めた方が良いかと思います。
危険なブロックの存在がわかれば、通学路変更などの対応もとれますし、自治体を通して、所有者に補強を呼びかけてもらうこともできるからです。
災害時に倒壊したり傾いたりしたブロック塀は、緊急車両の通行の妨げにもなります。
今回の地震を教訓とし、学校及び自治体と地域住民が危険性を確認し、減災につなげていかなければなりません。
今回のブロック塀倒壊のニュースを見ていて、高槻市の担当者が「危険性を見抜けなかった」と発言していましたが、決してそんなはずはないと思います。
少しでも土木や建築の仕事をしたことがある方なら、一目見れば非常に危険なブロック塀だと気づくはずです。天災ではなく明らかに人災です。
もしかしたら、PTAや保護者の方から指摘があったかもしれませんね。
警察の方も業務上過失致死罪で捜査を行っているので、今後のためにも責任の所在を明確にして欲しいと思っています。
古く危険性の高いブロック塀は、地震が発生したときには凶器になります。
今後二度とこのような悲しい事故を起こさないためにも、国・自治体・地域・ブロック塀の所有者が一体となり、速やかに危険の排除に取り組むべきです。
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