こんばんは。代表の増子です。
不動産査定の一括サイトはここ数年ではかなり一般的になり、その手軽さから利用者はどんどん増えてきています。
そんな中、利用者が増えると比例するようにトラブルに対する相談も増えてきている現実もあるようです。
今回は、不動産一括査定を利用する際の注意点について記事を書いていきます。
不動産一括査定サイトの注意点とデメリット
一、顧客を獲得したいがために、高い査定額を提示する不動産会社がいる。
不動産一括査定サイトは高く査定されやすいため、売主が高く売れると誤認してしまう可能性があります。
高い査定額につられて媒介契約を結んでしまうと、売却活動が長引き、売主は苦しむことになります。
利用者からすると、「査定額は不動産会社が出した価格なのだから、当然、その価格で売れるのだろう」と思いがちですが、実はそんなことはありません。
他の不動産会社との競合を制するために、あえて高く査定して契約をとっているだけの場合もあります。
このような不動産会社は、販売開始後、売れないことを理由に売主に値引きを要求してきます。
不動産一括査定サイトは、言うなれば高い査定価格を生むことを助長するサービスとも言えます。
査定結果の中で、特に高い価格ほど信じてはいけません。
著しく高い査定結果には絶対に飛びつかないようにしましょう。
一、地域に根付いていない不動産会社が査定する場合も。
不動産一括査定サイトでは、希望のエリアで、地域に根ざした地元の不動産会社が査定を担当するとは限りません。
大手の不動産会社は営業エリアが広いこともあり、そのような会社が査定を行うことがほとんどのようです。
地域密着型の不動産会社のほうが地域の顧客数も多く、売却に有利な場合もあります。
不動産一括査定サイトでは、依頼したい不動産会社があったとしても選べない場合がある、という不自由さがあります。
その地域に詳しいとされる不動産会社に心当たりがあるなら、直接依頼した方が良いでしょう。
一、机上査定を依頼したつもりが、営業電話がかかってくる。そして、しつこい。
一括査定サイト利用する際は、メールアドレスや電話番号の入力を求められることがほとんどです。
一括査定の依頼を受けた不動産会社にとって一括査定サイトの利用は営業活動の１つであり、最終的な目的は顧客の情報を手に入れて顧客と媒介契約を結ぶことです。
査定依頼時に電話番号を入力するため、不動産会社から営業の電話が必ずといっていいほど掛かってきます。
一括査定サイトでは最大５社程度に査定依頼ができますが、その全ての会社から電話が掛かってくると、煩わしく感じることでしょう。
そして、不動産会社の営業電話はちょっと「しつこい」です。
数年後など、直近で売却する予定が未定の場合は、その旨を不動産会社に伝えるようにしましょう。
不動産会社も売却が成立しなければ収入にならないため、相場が知りたいなどの簡易な査定の依頼では、本気で動いてくれない可能性もありますが、その際はそういうものだと思って理解しましょう。
不動産一括査定サイトでトラブルを避けるための対処法。
一、営業担当者の対応を見極める。
不動産一括査定サイトを利用した場合、営業電話が必ず掛かってきます。
それを上手く利用して、その地域にどれだけ詳しい会社なのか、営業担当者の印象はどうかなどを判断できるようにしておきましょう。
ただし、こちらからのお願いを聞き入れてくれないなど、関係を構築できないような営業とは、その後のつきあいも上手くいかないことがあるので、その不動産会社は候補から外した方がいいかもしれません。
一、査定額はあくまで目安と認識し、必ず査定額の根拠を確認する。
そもそも、査定価格自体、予想価格に過ぎないので、不動産会社に競争させる事にほとんど意味はありません。
工事の見積りのように、安い業者を探すための一括査定サイトなら競争に意味があるのですが、架空の数字を競争させても意味がないのです。
査定価格はあくまで目安で敷かないということを理解しましょう。
また、目安といってもそれなりの根拠は各不動産会社にもあるはずなので、必ずその根拠も確認しましょう。
近隣事例やＡＩの査定額だけを説明してくる業者は、根拠に乏しいため、依頼するのは避けた方がよいでしょう。
一、状況や意思を明確に伝える。
売却を依頼する側にも、都合や立場があります。
売却を急いでいるのかそれほどでもないのか、売ることを近隣に知られたくない、まだ住宅ローンが残っているなどが代表的なところとして挙げられます。
このような事を明確に伝えないと、依頼主の意思に反した販売活動になりかねません。
依頼主が抱えている状況は、売却価格に大きく影響します。
ただ高く売りたいだけなら販売期間は長期になりますし、売却を急ぐ場合は価格は安くなってしまいます。
自身の状況を必ず不動産会社に説明し、納得のいく査定価格を提示してもらうようにしましょう。
一、売却の意向がない査定だけで利用しない。
不動産一括査定サイトに登録している不動産会社の目的は、依頼主と専任媒介契約を結ぶことです。
サイトの利用者に売却の意思があるかないかにかかわらず、不動産会社からの積極的な営業は必ず発生します。
安易な気持ちで利用すると、想定していなかった営業活動に見舞われます。
相場などを知りたい場合は、匿名で利用できるサイトもあるため、そちらを利用することをお勧めします。
不動産一括査定サイトの仕組みと裏側。
不動産一括査定サイトは、不動産の売却を考えている方が、何件もの不動産会社に問い合わせする手間を省くために作られているサイトです。
不動産一括査定サイトは、登録している不動産会社からの手数料によって運営されています。
査定を依頼する方は無料で利用できますが、不動産会社は媒介契約が成立しなくても、問い合わせがあるだけで手数料を支払っています。
その手数料は不動産一括査定サイトによっても異なりますが、1～2万円程度になります。
他の不動産会社と競合しても、反響１件につき費用が掛かっています。10件の査定依頼があれば１０万円の広告費が掛かります。
故に、他社との競争には負けられないというプレッシャーが不動産会社にはかかっており、営業活動が苛烈になりがちですし、相場よりも高い査定価格が提示されることが多いです。
不動産一括査定サイトはインターネットで気軽に利用できるのは魅力ですが、その裏では不動産会社がいかにして媒介契約を獲得するために、様々な方策を画策している事を理解して利用する必要があります。
まとめ。
いかがでしたでしょうか。
不動産一括査定サイトは気軽に利用できるシステムになっているため、不動産の流通という意味ではとても貢献しています。
しかしながら、不動産会社と売主との関係性が希薄なせいか、トラブルの報告が後を絶ちません。
不動産の売却は高額なお金が動きます。
スムーズに納得のいく売却を完了させるためにも、不動産一括査定サイトの利用には十分注意いたしましょう。
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