こんばんは。代表の増子です。
先日、台風15号が千葉県に上陸し、関東南部、主に千葉県を中心に甚大な被害をもたらしました。
主な被害の中心は最大瞬間風速が約50メートルにも達した、強風によるものです。
多くの住宅で停電が発生し、被害状況もまだはっきりしていません。
多くの建物にも強風の被害が出ているようです。
昨年は関西中心に大型の台風が直撃し、関西国際空港などで大きな被害が出ましたが、今年は関東に大きな被害が出ましたが、これからは毎年のように強い台風によって大きな被害がもたらされることが想定されます。
今回は、住宅の強風に対する強度を表す指標として、耐風等級について解説していきます。
耐震等級という言葉は皆さん何度か聞いたことはあるかとは思いますが、耐風等級という言葉は、あまり聞いたことは無いという方が多いようです。
耐風等級とは、建物の強さを指す指標として、住宅性能表示で耐震等級と同様に示されている物です。
住宅性能評価・表示協会に記載されている「耐風等級」の解説について書き写します。
・暴風に対する構造躯体の崩壊、倒壊等のしにくさ及び構造躯体の損傷の生じにくさを表示します(等級2〜1)。
・等級は、最大等級の等級2では、
○極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力の1.2倍の力に対して倒壊や崩壊等せず
○稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力の1.2倍の力に対して損傷を生じない程度を示しています。等級1の場合は、下線部の倍率が1倍です。
・極めて稀に(500年に一度程度)発生する暴風による力とは、たとえば、東京近郊の住宅地を想定した場合、高さ10mの位置で平均風速が約35m/s、瞬間最大風速が約50m/sの暴風に相当します。
・稀に(50年に一度程度)発生する暴風による力とは、たとえば、東京近郊の住宅地を想定した場合、高さ10mの位置で平均風速が約30m/s、瞬間最大風速が約45m/sの暴風に相当し、これは、伊勢湾台風時に名古屋気象台で記録された暴風に相当します。
以上です。
このように、明確な基準が設けられています。
ちなみに、建築基準法の基準=耐風等級1にあたります。
耐風等級の基準となっている伊勢湾台風は、上陸時の気圧は約930hPa、最大瞬間風速は約55m/sでした。
今回関東に上陸した台風15号は、千葉市に上陸時の気圧は960hPa、最大瞬間風速は同じ千葉市で57.5m/sを記録しました。
気圧は約30hPaほど違いますが、最大瞬間風速は伊勢湾台風並みです。
被害としては死者が出なかっただけで、建物や停電・断水等の被害が大きくなったのもうなずけます。
このクラスの耐風が頻繁に発生すると考えると、伊勢湾台風以上の台風が日本列島を襲っても何ら不思議ではありません。
内陸部はともかく、太平洋側の沿岸部に住まわれている方は、耐風等級2以上の強度を持った住宅を建設する方が安全であると言えそうです。
地球温暖化の影響で様々な気候変動が起きており、住宅環境は変化していきます。
長期間の停電や断水などは生活に大きなストレスをもたらせます。
自治体や電力会社などが行うインフラ整備には限られた予算があり、私たちが望むようなスピード感で進めることは難しいです。
これからの住宅には耐風・耐震といった構造の強さだけではなく、蓄電器は断水に対応できる設備等、緊急時に対しての強さも求められていくはずです。
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